水生植物・湿生植物一覧


用語説明

水生植物:根や葉が水中または水面にある植物。
湿生植物:湿地や水辺、一時的に冠水する場所など、乾くことの少ない場所に生育する植物。
水生、湿生の区別は明確でなく、どちらであるか判別しにくい植物もある。

双子葉植物の特徴

種子から出る子葉は双葉である。
葉脈は網目状である。
根には主根と側根がある。

単子葉植物の特徴

種子から出る子葉は細長い1本の葉である。
葉脈は葉の根元から先まで並行に伸びる。
根は髭根状の側根ばかり。
木質であっても年輪を持たない。

双子葉植物

水生植物

スイレン科
スイレン 葉は円形に近くて水面に浮かび、夏に5センチぐらいの薄紅色や白、黄色の花を 水面に浮かべる。

ヒツジグサ:日本に自生する スイレン の一種で花は白い。

ハス 葉は円形の逆傘状で中心に葉柄がついていて撥水性があり、 花は桃色で大きく、 蜂の巣状の花托に固い実が十数個埋め込まれた果実ができる。

ジュンサイ 水中で分枝する茎から葉柄が出て丸い葉を水面に浮かべ、紫褐色の小さい花が咲く

コウホネ 葉には薄くて半透明な水中葉と、厚みがあって濃緑色の水上葉があり、 夏に長い花茎の先に黄色い花を上向きに開く

ハゴロモモ 茎は水中でよく分枝し、葉は糸状に裂けたものが輪生する。

ミツガシワ科
ミツガシワ 3出複葉の小葉は楕円形で、茎先に白い筒形の花が総状に咲く

アサザ 葉は円形に近くて水面に浮かび、夏に黄色い花が水面より上で咲く

ガガブタ 丸い葉が水面に浮かび、5深裂した白い花の裂片の縁に白い長毛がある

ミソハギ科
ヒシ 3角状の葉が水面に浮き、 白い4弁花が咲き、 角(つの)のある牛の頭骨のような核果ができる

タヌキモ科
イトタヌキモ 糸状で緑色の茎がのび、水中の葉に補虫嚢をもち、立ち上がった花径に黄色い花が咲く

湿生植物

キンポウゲ科
リュウキンカ 水辺に生え、葉は円心形で大部分根生し、 黄色い花弁状萼片が5枚ある花をつける

エンコウソウ 水辺に生え、丸い葉に深い切れ込みがあり、 花には黄色い花弁状萼片が5枚ある

キツネノボタン 根生葉は3出複葉で小葉がさらに3裂し、 枝先に直径1〜1.5センチの黄色い5弁花をつけ、 先のまがったそう果が球状に集まった集合果をつける

ケキツネノボタン 根生葉は3出複葉で小葉がさらに3深裂し、 枝先に直径1.2センチの黄色い5弁花をつけ、 そう果が球状に集まった集合果をつける

アカバナ科
ミズキンバイ 水辺では茎と楕円形の葉を水上に立ち上がらせ、 水中では葉を水面に浮かせ、 黄色い5弁花を咲かせて、棒状の刮ハをつける

セリ科
セリ 葉は1〜2回3出複葉で、小葉は卵形で粗い鋸歯があり、 複散形花序に白い5弁花を多数つける

タゼリ: セリ のうち、茎が短くて基部が赤みをおび、田んぼに生える品種

ドクゼリ セリに似ているが、根茎が太くて筍のような節があり、全草が有毒

オトギリソウ科
ミズオトギリ 葉は鈍頭の楕円形で対生し、 花は5弁の淡紅色で、果実は尖った長卵形で赤い

シソ科
ミズハッカ 葉は卵形で、茎先と葉腋に淡紫色の唇形花が輪生状に咲く

ウオーターミント: ミズハッカ の別名

ヌマハッカ: ミズハッカ の別名

ミゾコウジュ 茎葉は長楕円形で、初夏に紫褐色を帯びた花穂に 淡紫色の小さい唇形の花を多数つける

シロネ 葉は広披針形で粗鋸歯があり、 葉腋に白くて小さい唇形花が群がる

テンニンソウ 茎の断面は四角で、葉は先のとがった長楕円形で、 茎先の穂状花序に唇形の白い小さい花を密集させる。

フジテンニンソウ よく似た テンニンソウ にくらべ、花序の直下の葉裏の中脈や花穂に開出毛が多い

タデ科
ミゾソバ 茎に下向きの棘があり、互生する葉は卵状ほこ形で、 先が尖り基部は耳状に張り出し、 枝先に10数個の小花をつけ、3稜のあるそう果をつける

ヤナギタデ 茎は赤みを帯び、葉は披針形で辛く、穂状花序に淡紅色を帯びた白い花をまばらにつける

キキョウ科
オオロベリアソウ 直立する花茎に青紫色の唇形花を密につけ、上唇は2裂し、下唇は3裂する

サワギキョウ 茎は直立して分枝せず、紫色の唇形花を総状につけ、上唇は2列し、下唇は3列する

ミソハギ科
ミソハギ 直立した茎に広被針形の葉が十文字対生し、 上部の葉の付け根ごとに紅紫色の花をつける

エゾミソハギ 葉が茎をいだき、茎や葉に短毛がある点以外は ミソハギ に似ている

ゴマノハグサ科
キクガラクサ 広卵形の葉が羽状に深裂し、葉腋に白くて花冠の5裂した花をつける

トウダイグサ科
ノウルシ 茎先に葉と花序枝が5輪生し、 その枝先に黄色い総苞片をもつ1つあるいは6個の杯状の小花序がつく

単子葉植物

水生植物

ウキクサ科
ウキクサ 扁平な広卵形の葉状体を水面に浮かべ、 中央から10本ぐらいの根を水中に垂らす。
ミズアオイ科
ホテイアオイ 葉柄の基部がふくれて浮き袋となって漂い、根は水中にのび、 葉は広倒卵形で、花茎の上半部に10前後の花が1日で全部開く。

クズウコン科
ミズカンナ 水中に生え、カンナのような葉をのばし、 高い花茎の先の総状花序にラベンダーに似た紫色の花を咲かせる。
オモダカ科
オモダカ 匐枝で増え、葉は細長い矢じり形で基部裂片が頂裂片より長く、花茎に白い3弁花が3輪生する

ヘラオモダカ 葉はへら形で、水中から直立する花茎に白い3弁花が多段に輪生する。
サジオモダカ 葉はさじ形で、花茎の枝が多段に輪生し、枝先に白い3弁花が咲く

クワイ 水中に塊根があり、葉は細長い矢じり形で、花茎に白い3弁花が多段に輪生する

シャペウデコウロ 葉は先の尖った大きな楕円形で、長い花径に白い花が分散して咲く

ミクリ科
ミクリ 葉の基部は3稜形で、葉腋から出る茎に丸い針山状の花をつけ、 栗のイガのような果実をつける。

湿生植物

アヤメ科
カキツバタ 葉はやや広い剣形で、花茎の先に紫色の花を2〜3個つけ、 外花被は先が垂れ下がり、基部に白斑がある。

ノハナショウブ 剣形の細い葉を根元から出し、 花茎の先に紫色の花をつけ、 細長い楕円形の刮ハをつける

ハナショウブ: ノハナショウブ の園芸種

キショウブ 剣形の葉を根元から2列出し、 花茎の先に鮮黄色の花をつけ、 楕円形の刮ハをつける

ミズアオイ科
ミズアオイ 葉は円心形で、葉より高くのびる総状花序に淡青紫色の6弁花が咲く

コナギ 葉は卵心形や披針形で、葉より低い位置で青紫色の6弁花を咲かせる水草

イネ科
アシ 湿地に地下茎で大群落を作り、茎は固い円柱状で節があり、 線形の葉は互生し、先が垂れ、淡紫色の小穂をつけた円錐状の花序を出す

ヨシ: アシ の別名

ツルヨシ ヨシ(アシ)に似ているが、丈が少し低く、 地表を走る匐枝を出し、 葉鞘の上部が赤い点が異なる

オギ 湿地に生え、ススキより大きくて穂が白く、 茎は密集せずに大きな群落を作る

イネ 水稲が多いが陸稲もあり、風媒花であるが、通常、自家受粉し、 籾に包まれた種子が穂に100個ぐらいつく

タイヌビエ イヌビエの変種で、葉の縁が厚くなって白い筋になり、 小穂は淡緑色で芒のあるものとないものがある

キシュウスズメノヒエ スズメノヒエと似ているが、穂が二股になる

マコモ 水中から太い茎を直立させ、円錐花序の枝の上部に黄緑色の雌小穂、 下部に紫色の雄小穂をつける

カヤツリグサ科
ウキヤガラ 地中の匐枝で群生し、葉は茎の下半分につき、 茎先から長い苞と長楕円形の小穂のついた短い花序枝を数本だす

カンガレイ 茎には鈍い3稜があり、葉は葉鞘だけに退化し、 茎先の苞の脇に柄のない細長い卵形の小穂がかたまってつき、 小穂ははじめは雌性でのちに雄性となる

サンカクイ 茎はへこみのある三角形で数個の小穂がつき、その先は苞となる

マシカクイ 茎には鋭角の4稜があり、小穂は褐色の紡錘形で、 倒卵形のそう果ができる

フトイ 茎は直径1〜2センチの円柱形で、葉は退化し、 茎先の短い枝に黄褐色の小穂がつく。

クログアイ 円筒状の花径が直立し、匐枝の先にクワイ状の塊茎がつく

マツカサススキ 茎は3稜形で節があり、葉鞘が茎を包み、葉は線形でかたく、 茎の先や上部の葉腋に散房状に枝分かれした花柄を出し、 小穂が球状にかたまった黒褐色の花穂をつける

パピルス 葉は鞘状に退化し、叢生する高い茎の先に、 細い枝が放射状に出て垂れ下がり、ブラシ状の花穂がつく

カミガヤツリ: パピルス の別名

イグサ科
円柱形の細い茎が叢生し、 茎の先に集散花序をつけ、苞が茎と同形で上にのびるので、 茎の途中に花序があるように見える

ホソイ 円柱形の細い茎が叢生し、 茎に肋があり、根際が赤みをおびる

コウガイゼキショウ 茎は扁平、茎葉は剣状線形で、 4〜7個の花が扇状に集まった小穂を集散花序に多数につける

サトイモ科
ミズバショウ 湿地に生え、純白の仏炎苞に包まれた円柱状の黄色い肉花穂を立て、 花のあとに花茎の脇から幅広の葉を高くのばす。

ヒメカイウ 湿地に生え、葉は円心形で、白い仏炎苞のある肉花穂に黄色い花がつき、 赤い実がトウモロコシ状に並ぶ

ミズザゼン: ヒメカイウ の別名

ザゼンソウ 早春に暗紫色の仏炎苞を持つ肉質花穂を出し、 花後に大きな心形の葉を根生させる

ツユクサ科
イボクサ 茎は柔らかく、葉は狭被針形で、 茎先に淡紅色の3弁花をつけ、刮ハができる

総目次へ戻る