パピルス


単子葉、 カヤツリグサ科、 カヤツリグサ属、水生、常緑、多年草。 用語説明
花期:春〜夏
高さ:約2.5メートル
別名:カミガヤツリ
気温が1年中20〜30度の地域で育つ。 湿地などに生える。 塊根があって群生するが、種子でも殖える。
茎は三角柱で、太さは6センチぐらいとなる。 葉は鞘状に退化しているので、 茎だけが束生する形となる。
太い茎の先端から、線形葉状の総苞が放射状に出て、 垂れ下がる。
夏に茎先から緑色で細長い花軸を何本も出し、 数回枝分かれする。 その分岐部分に黄白色のブラシ状の花を咲かせる。
褐色の種子ができるそうである。
古代エジプトでは、 この茎からパピルスと呼ばれる紙状のものを作り、 記録に用いた。それは次のようにして作ったらしい。
http://www.youhishi.com/papyrus.html 等参照。

・茎を切りそろえて、表皮をはぎ、3角柱の髄を取り出す。
・鋭利な刃物でそれを帯状に切り分け、ローラーで押しつぶす。
・これを仕上げ時の縦横の長さに合わせて2組作る。
・それらを6日間ぐらい水を張ったトレーにいれておく。
・布をしいて、長いほうの薄片を横長のシート状に並べる。
・その上に、短い方の薄片を直角方向にシート状に並べる。
・上に布をかぶせ、圧着して、水分が抜けるまで数日おく。
・水分が抜けたら、乾燥させて、長方形に切りそろえる。

土の窒素やリンをよく吸収するので、 ため池などの水質浄化に役立つとされている。
ナイル川流域原産。

太い茎の先端から線形葉状の総苞が放射状に出て垂れ下がる。 (2017/10/31)


多数の線形葉状の総苞の他に、幅広の総苞が数枚出る。 (2017/10/31)


花軸は途中で分岐する。(この分岐点などに花が咲く。) (2018/9/12)


総苞は古くなると、先が4枯れてくる。 (2018/9/19)


葉は鞘状に退化して、根元にだけある。根元は茶褐色。(2017/10/31)


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