アヤメ
菖蒲
単子葉、
アヤメ科、
アヤメ属、球根植物、夏緑、多年草。
用語説明
花期:夏 6月〜7月
高さ:30〜60センチ
乾き気味の草地に生える。
短く這う根茎から葉が束生する。
葉は幅0.5〜1センチの細い剣形で、主脈は目立たない。
根元から数枚重なり合って出る。
花茎は分枝せず、先に紫色の花を2〜3個つける。
外花被3枚は長さ6センチほどで、先が垂れ下がり、
基部に網状の模様がある。
内花被片3枚は小さくて上を向く。
楕円形の刮ハがつくことがあり、熟すと3裂する。
原産地:東アジア、日本。
冬に長期間ぽつぽつと花の咲くフユアヤメ(カンザキアヤメ)という品種もある
(この品種は地中海沿岸原産)。
アヤメ属の雌しべ、雄しべ:
アヤメの雌しべ、雄しべはどこにあるかわかりにくい。
アヤメの外花被片の基部から細長い覆いのようなものがのびているが、
これが柱頭であり、その下に雄しべが隠されている。
蜜腺は雄しべの基部にある。
すなわち、雌しべの柱頭が3裂して花弁状となり、
その各々が3枚の外花被片の中心線の1/3ぐらいを覆っているのである。
ちなみに、外花被片は萼が変化したものであり、
内花被片が本来の花弁である。
従って、外花被片を外すと内花被片がむき出しとなり、
さらに内花被片をはずすと、柱頭と雄しべがむき出しとなる。
上記の構造は、アヤメ、カキツバタ、キショウブなど、
アヤメ属に共通するものである。
識別点:
アヤメ、
カキツバタ、
イチハツ、
キショウブ、
ノハナショウブ、
ジャーマンアイリス
アヤメ :花期5月、乾いた土、葉は細長い、外花被基部に網状模様、花は青紫か白。
カキツバタ:花期5月、湿地、葉は幅広、外花被基部に3角形の白斑。
イチハツ :花期4月5月、乾いた土、葉は幅広、外花被中央部に白いトサカ状の突起。
キショウブ :花期5月、湿地、葉は細長い、花は黄色。
ハナショウブ:花期6月、湿地、葉は細長い、花は紫、外花被基部に3角形の黄斑、中脈が太い。
ジャーマンアイリス:花期4月5月、葉は幅広、中2枚の花びらは直立、外花被中央部にブラシ状の突起。
ダッチアイリス :花期4月5月、葉はやや細くて巻く、外花被中央部に突起なし。
外花被3枚は垂れ下がり、基部に網状の模様がある。
内花被片3枚は小さくて上を向く。
(2018/5/4)
蕾では、花弁は巻くように畳まれている。
(2009/5/12)
湿気の多くないところで育つ。
蕾。苞に包まれている。(2015/5/6)
葉は左右交互に根生する。(2017/5/19)
楕円形の刮ハができる。(2017/6/6)
できはじめの刮ハには花被片の痕が残っている。
(2011/6/19)
黄色い斑紋のある外花被片に被さるようにのびているのが柱頭で、雄しべはその下に隠れている。
冬に長期間咲くフユアヤメ(カンザキアヤメ)という品種もある。
フユアヤメ(カンザキアヤメ)。(2015/1/18)
カンザキアヤメ。(2016/3/3)
カンザキアヤメの刮ハ。(2017/6/29)
カンザキアヤメ。
白いアヤメ。突然変異で白いものができることがあるらしい。
(2002/5/12)
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