ブナ

椈、山毛欅

双子葉、離弁花、ブナ科、 ブナ属、落葉、広葉樹、高木。 用語説明
花期:春 5月
高さ:30メートルぐらい
別名:シロブナ
冷温帯を好み、北海道、東北では平地にも生育するが、 関東以南や九州、四国では山地に生える。
幹は単独で直立し、 樹皮は灰白色で平滑であり、地衣類がついていることが多い。 若枝は暗紫色でつやがあり、皮目がある。
冬芽は細長い紡錘形で、花と葉の混じった混芽と、 葉のみの細い葉芽がある。
葉は互生し、先のとがった卵形で、波状の鋸歯があり、 側脈が葉裏に盛り上がる。 葉は小さいときは両面に軟毛があるが、大きくなるとなくなる。 托葉は褐色で披針形であり、葉の展開後に落ちる。
雌雄同株で、花序は頭状で、 雄花序は柄が長くて新枝の下部の葉腋から垂れ下がり、 淡褐色で軟毛があり、 雌花序は柄が短くて新枝の上部の葉腋に上向きにつき、 総苞に包まれていて淡緑色であり、 毛に包まれた2つの雌花があって、その柱頭は赤い。
果実は堅果で、 棘状の突起に覆われた淡褐色で楕円形の殻斗に包まれている。 10月ごろに殻斗が4裂して開き、 長さ約1.5センチの3稜形で先のとがった堅果が2個現れる。
ブナにはヒノキなどのような心材はないが、 濃褐色の偽心材の多い個体をアカブナと呼び、 樹皮が滑らかで偽心材が少なく淡黄色の材の多い個体をシロブナと呼ぶ。 乾燥の前後では狂いが大きいが、 よく乾燥すると狂いは少なくなる。
ドイツには若葉の赤いブナが多く、 これは上記とは別の意味でアカブナと呼ばれる。

識別点: ブナイヌブナ
 ブナ  :ひこばえなし、樹皮灰白色、側脈7〜11対、果実上向き。
 イヌブナ:ひこばえ多い、樹皮黒褐色、側脈10〜14対、果実下垂。

これはアカブナ。(2015/5/10)


樹皮は灰白色でほぼ平滑。(2015/5/10)


葉はやや厚く、波状の鋸歯がある。(2015/6/1)


葉脈が葉裏に隆起する。(2015/6/1)


側脈は10本弱。(2015/5/10)


芽吹き。淡褐色の托葉は間もなく落ちる。(2015/5/10)


若葉には両面に毛がある。(2016/5/14)


新緑のブナは美しい。(2016/5/14)


(2016/5/14)


秋には翌春の芽が準備されている。(2015/10/8)


双子葉植物へ戻る
単子葉植物も見る
裸子植物も見る
総目次へ戻る