クマガイソウ
熊谷草(平家物語に出る熊谷直実の背負った母衣(ほろ)に花の形が似ている)
単子葉、
ラン科、
アツモリソウ属、夏緑、多年草。
用語説明
花期:春 4月〜5月
高さ:20〜40センチ
竹や杉などの林内に生え、根茎が横にのびて群生する。
茎は直立して白毛が密生し、基部に鞘状葉がある。
葉は2つの扇状円形が対生状についた形で、
基部から縦皺が放射状にのびる。
茎先が曲がって、幌のような淡紫色の花がぶらさがる。
風船状に膨らんで下を向いている唇弁には紅紫色の脈があり、
その上に細長い側花弁が左右に広がる。
側花弁は淡緑色で基部に紅紫色の斑点がある。
花の基部に、
先のとがった卵状楕円形の背萼片と船形に合着した側萼片があり、
ともに淡緑色で、花の笠のように広がっている。
果実はほとんどできない。
繁殖力は弱く、絶滅危惧種第2類である。
上段に前向きと後ろ向きに出ているのが萼片
(後ろ向きのは2枚の萼片が合着しているので、萼片は合計3枚)。
その下に左右に出ているのが側花弁、
さらに下に袋状になっているのが唇弁(従って花弁は合計3枚)。
唇弁の基部で花茎の延長線上で丸まっている部分に、
雌しべと雄しべがある。
花茎の延長線上でかぎ状に曲がった部分に、雄しべと仮雄しべ、ならびに雌しべがある。
(2009/4/26)
後ろから見た花。花の基部にある葉のようなのは苞葉。
(2009/4/26)
(2011/4/25)
根茎がのびて群生し、花は同じ方角に向く。
根元から数枚の葉が出て、葉柄の先から花径がのびる。
葉は扇状で縦皺がある。
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